ふくこむぎプロジェクト

お知らせ・えっちゃん
学校で小麦栽培

~Introduction~ 校長のつぶやき

本校の高等部では、農業班、食品加工班、紙工班、織物班の4つの班で作業学習を行っています。各作業班とも、特色ある作業製品を生み出し、販売会や地域店舗での委託販売を通して地域の方々に愛されています。

食品加工班では、本校開校時に設けられたパン製造施設を駆使し、奥越の地ならでわの恐竜の足跡をかたどったパン等を製造し、校内カフェで地域の方に提供してきました。しかし平成31年の暮れから始まったコロナ禍により、食品加工の活動は休止せざるをえなくなり、パン製造技術は途絶えることとなりました。令和4年より食品加工を再開するにあたり、新メンバーでも取り組める活動としてクッキーやマフィン等の焼き菓子製造が始まっています。

令和5年度、今年も新一年生を迎え焼き菓子製造が始まったある日、校内販売で購入したクッキーを食していた校長がふと考えました。

「クッキーもマフィンも材料の大半は小麦粉だよな」

なにげに包装裏の原材料欄に目を向けると、第一に小麦粉の文字とともに、見知らぬ「ふくこむぎ」の文字が目にとまりました。「『ふくこむぎ』って何なんだ」とネットで検索すると、福井県立大学で開発された福井の気候に合った小麦であること、『麦秋』という季語から小麦の時期は知っていたものの播種から収穫時期まで50歳を越えて初めて知るものばかりです。同じ福井県にいながら、県産小麦として開発されたふくこむぎに初めて触れた瞬間でした。

「学校で育てた小麦で焼き菓子が作れたらおもしろいだろうな」

パン製造をしていた頃から、農業班で育てた野菜がパンの具材として用いられており、焼き菓子製造でもその繋がりは続いています。校長の思いつきに賛同してくれた教職員により、ここに『ふくこむぎ』が加わろうとしています。

 

令和5年9月19日 事前学習

ふくこむぎの開発者である 村井耕二 福井県立大学教授に来校いただき、農業班および食品加工班の高等部生徒14名がふくこむぎについて授業を受けました。長い年月をかけて、福井の気候に合った小麦の品種改良を行ってきたことや、小麦の栽培・生育についてお話しを聞くことができました。

また今回、本校初めてのふくこむぎ栽培に向け、村井先生から種を提供いただきました。村井先生、ありがとうございました。

令和5年10月16日 播種

 村井先生から、「播種は10月中旬」「筋まき」のレクチャーを受け、種まきは10月16日実施としました。

 ただ、人手による筋まきを均等にできるのか、頂いた種が足りるのか、一抹の不安が・・・。その不安は本校の農業班教員が見事に解決! 地面にあてがうことで一定間隔の穴ができるネジ釘を打ち込んだ定規を作成しました。生徒は、その穴に一粒ずつ根気よく種をまいていきます。

 約1時間かけ、予定していた約50m2の農地に種まき完了。   

 本校の農場に、無事、ふくこむぎが芽生える事を祈ります。

令和5年10月20日 発芽

 ネットで検索すると、小麦の最適発芽温度は25℃前後、播種から約1週間から遅くとも10日程で発芽するとのこと。本校のふくこむぎは10月23日頃に発芽するのではないか見越していました。

 が、20日の朝、農場に目をやるとあちらこちらから芽が出始めているではないですか。(今年の異常気象の影響?)

発芽から生育の様子を映像に収めようと、タイムラプスカメラを手配したのですが、ふくこむぎは待ってくれませんでした。

 10月23日から11月7日までの16日間のふくこむぎの成長の様子です。(タイムラプス映像)

(ファイルサイズ:約58.3MB)

動画がうまく見られない方は、こちらをクリックしてください。

令和5年11月7日

現在、約5センチまで伸び、葉は4枚程度。順調に成長しています。

 この後、『麦踏み』が必要なのかな?

ネットでは「種まきからおよそ1ヵ月後、葉が4つほどついた頃」と書かれていましたが。

 村井先生に相談してみます。